オランダ政府、合法大麻の試験的栽培と販売検討

オランダでは特定の店(コーヒーショップ)での特定の分量の大麻購入は許可されているが、往々にして店の仕入れ元に犯罪組織が絡んでいる。このため、大麻流通はある意味でグレーな領域となっている。
現在政府は犯罪組織を排除するために、合法的に栽培された大麻の合法販売実験を検討している。試験的販売は5年2ヶ月という期間が予定されている。フォルクスクラント紙によれば、政府はこの試験的な試みを警察、検察そしてオランダの市町村組合などに向け提案したもの。5年間のうち1年は準備期間だという。

栽培者は入札で決まる。試験期間はあくまでも特定の店への納入のみが許され、指定店場所での販売は許可されない。実験に参加するのは6−10の市町村で、全国にある特定のコーヒーショップ(大麻を販売する店)で販売することになる。この計画では、合法大麻が非合法業者の手に渡らないよう、包装と輸送に対する厳しい規則が設けられる。包装にはタバコのパッケージと同様、健康に関する警告が表示される。栽培する大麻の種類や価格に関しては、政府は専門家からなる委員会に決定を委ねる。

この実験と平行し、政府は大麻使用による健康への害を警告するキャンペーンを開始。合法大麻の販売により、大麻使用が当たり前のものだとみなされることを防ぐのが目的だ。ただこの実験がいつ始まるかはまだ不明。まず上院での承認が必要となる。