オランダ、大麻生産を政府の管理の元で容認か

オランダでは「コーヒーショップ」と呼ばれる許可店舗での少量の大麻販売は容認されており、基準値を下回る個人利用に関しても罰せられないが、大麻の栽培、所持、販売はいずれも違法である。オランダ下院は21日、政府の監督の下で大麻栽培を容認する法案を可決した。ただ現時点で上院での可決は難しいとみられ、法案成立の見通しは立っていない。

今回の下院での法案は77対72と僅差で可決したが、リベラルのD66党、労働党、緑の党、社会党、動物愛護党から支持を受けたものの、中道右派のVVD党や極右PVV党そしてキリスト教系3党はこれに反対した。D66党は、大麻を政府の管理下で生産することで違法栽培そしてこれを行う組織犯罪が減ると主張している。2015年には5856件の違法栽培畑を警察が廃棄処分している。

ラドバウト大学の犯罪リサーチセンターによれば、大麻生産の合法化は公共衛生および人権にメリットがあるという。非合法の大麻生産は、犯罪、暴力、火事、環境破壊やレジオネラ菌の繁殖などをもたらすと、同センター。しかし検察側は、国際条約に違反するとしてこれに反対している。