北朝鮮、オランダ企業を「強制労働」で訴える

ポーランドの造船所で働く北朝鮮の労働者が、実際に造船を行っているオランダの造船会社を強制労働で訴えている。この労働者によれば、このオランダ企業の労働環境は最悪で、奴隷労働がまかり通っているという。この北朝鮮人労働者を弁護するプラッケン・ドリビア弁護士事務所が木曜日発表したもの。

提訴した北朝鮮人は数年もの間、ポーランドの造船所クリストSAで働いている。訴えによれば、この造船所でオランダの企業が、船舶を造船したり修理を行っているが、北朝鮮労働者は非人道的で危険な仕事を強制させられているという。ポーランドの労働検査局の調査によれば、労働者の健康や安全面は無視されており、致命的な事故も起きかねないとしている。この北朝鮮人は、危険な環境で毎日12時間働かねばならず、給料のほとんどが北朝鮮当局に送金されている。弁護士事務所は、当該オランダ企業名と北朝鮮労働者の名前は伏せている。

人権保護団体であるグローバル・リーガル・アクション・ネットワークは、今回の提訴は多国籍企業が海外で強制労働を強いて利益を上げていることを明るみに出したとコメントしている。北朝鮮は世界数10カ国に15万人近くの労働者を送り込んでいる。労働者の多くが奴隷のような状況で強制労働を強いられている。北朝鮮の強制労働問題について調査を行ったライデン大学のコリアスタディのブレウカー教授によれば、北朝鮮は「世界最大の違法雇用代理店」だという。