イギリスのEU離脱後オランダが株式、債権市場の中心に?

「イギリスのEU離脱で30-40%の資本市場がオランダに移る。これによりオランダは資本、株式、債権、そしてデリバティブ市場でEUの金融取引の中心となる。」と、オランダの金融市場監督局(AFM)が29日見解を発表した。AFMによれば、かなりの数の国外の金融取引プラットフォームや企業が、これまでのロンドンからオランダを新拠点に選んでいるという。AMFは「2019年の潮流」と題した報告書にて、150社以上と会談を行ったと述べている。この報告書には金融セクターにおける主要なトレンドとリスクについて分析している。証券や債権取引以外の銀行やアセットマネジメント企業の多くは、ロンドンからフランクフルト、パリ、ルクセンブルグそしてダブリンへ移動する。

AFMでブレクジット(イギリスのEU離脱)を担当するファン・ライエンホルスト氏は、「1日の取引総数が現在の200万件から2000万件へと増える」と見込んでいる。この取引数の増加によりAFMは市場操作やインサイダー取引などの監視に注力させられることになり、その結果、技術的なトラブルや管理者による介入などで市場の乱れも予想されている。

金融企業がロンドンを離れ欧州各国に拠点を移すことには大きなリスクもともなう。イギリスのEU離脱は公式には2019年の3月29日となっているが、現在これが政治的な不確実性の原因となるとともに、欧州の資本市場の混乱を招く可能性に通じる。国境管理や税関に焦点を当てられることが多いが、銀行や保険業界といった金融機関での問題は山積みだ。AMFによればオランダの金融機関はこれに対する準備が完全でないとし、対処を呼びかけている。

AFM