欧州医薬品庁(EMA)のアムステルダム移転で、受け入れチーム結成

英国のEU離脱にともない、欧州医薬品庁(EMA)がアムステルダム移転を決定。現在ロンドンに拠点を置くEMAは2019年3月までに900人の従業員の81%がアムステルダムに異動する予定だ。アムステルダム市はすでに従業員およびその家族を受け入れるプロジェクトチームを結成、住宅や学校などの手配を行っている。昨今の住宅難から、チームはインターナショナルスクールがあるライデン、ハーグ、ユトレヒト、アルクマールなどへも手を広げている。

ハーグにはすでに国際機関や大使館が所在するため、外国人居住者の受け入れ体制も整っている。ロンドンでの長い通勤時間に慣れている人にとってはハーグからアムステルダムへの通勤も問題ない、とプロジェクトチームは目算しており、アムステルダムへの集中を避ける計画だ。EMAの本拠はアムステルダムの南駅のあるザイドアス(Zuidas)に3月から建設が始まる。

オランダは英国のEU離脱を機に、ロンドンの金融機関や国際機関、そして企業の欧州本部のオランダへの誘致に力を注いでいる。金融機関はオランダのボーナス規制を嫌いフランクフルトやパリへの移転がほとんどという結果だったが、まだ企業の転入には楽観的だ。しかし、昨今の住宅不足とこれにともなう不動産価格の高騰で、一般市民にとっては両手を上げて歓迎できるというものではないようだ。