世界大都市で不動産価格下降現象、アムステルダムも波に乗るか?

ロンドンでは今年の初めに5年続いた不動産価格上昇(53%)に終止符が打たれ、昨年同時期比の1%減を記録した。ストックホルム、シドニー、メルボルンでも同様に何年も続いた価格上昇がやっと下降へ向かい始めた。ラボ銀行の経済部によれば、アムステルダムもこの傾向に同調する可能性もあるという。

大都市での不動産価格の上昇の足止めには政府の介入が功を奏しているようだ。ロンドンでの不動産価格下降の背景にはセカンドハウスへの不動産譲渡税の大幅値上げがある。これにより投資目的での不動産購入にブレーキがかかった。スエーデンではローン返済規制の厳格化、カナダやオーストリアではローンの上限規制などを導入した。

アムステルダムの不動産価格の上昇は異常ともいえ、過去5年間で72%も上がっている。オランダ全土でも平均30%の上昇だ。当然アムステルダムでも、新築の不動産では自分で住むことを義務付けるなど、投資家による不動産購入をできるだけ防ぐ措置を講じている。

アムステルダムの不動産価格上昇には、地方からの首都へ移住増加だけでなく、内外の投資家による投資そして海外からの赴任者の増加による住宅市場の加熱化が原因となっている。特に投資目的の不動産購入は増える一方だ。先の下降現象の予想とは裏腹に、ロンドンなどの大都市の不動産価格下降により、投資家がアムステルダムに目を向け不動産価格がさらに上昇するというシナリオもあると見る向きもある。