過熱するオランダの不動産市場、1年間で過去最大の15%上昇。今後は?

コロナ禍でもオランダの不動産価格の上昇は留まるところを知らない。2020年の平均価格は38万5千ユーロ(約5千万円)で、上昇率は15%と過去20年で最高の上げ幅だった。

価格上昇は、超低金利、異常な住宅不足、そして社会経済が安定しているという見通しがあることから来ている、と不動産業界は指摘している。過去3ヶ月を見ると北ホランド州で20%以上の価格上昇が見られることと、農村地区への移住の関心が高まっていることが特徴だ。また大都市での価格上昇は平均15%だが、すでに価格上昇が頭打ちに近づいているアムステルダムでは7%だった。アムステルダムの不動産の平均価格は52万ユーロ(6700万円)。中心地では72万ユーロ(9300万円)となっている。

家の形態別でみると、一番上昇率が高いのは一軒家で19%  また、新築住宅でも8%上がり平均43万3千ユーロとなっている。住宅供給も1995年以来最低のレベル。購入価格も提示価格を上回るものがほとんどで、10%以上の価格を入札しないと購入できない状態が続いている。とくにアムステルダムではこの入札競争が激しく、時には提示価格に10万ユーロ(約1300万円)を上乗せせねば買えないという地域もある。

今後この上昇はさらに続くのだろうか? この高値で住宅を購入した際にどんなリスクが考えられるのだろうか。コロナ危機が去り、国の企業に対する支援策が終焉し、金利が上昇した場合に、需要が急速に冷え込むかもしれない。それでもRabo銀行の専門家によれば、金利は低く抑えられ、今年も8%の上昇は続き、さらに来年も4%の上昇が期待されるという。スイスUBS銀行の報告書ではアムステルダムの不動産価格はバブル状態で、いつ崩壊するかわからないとなっている。これに対しオランダの銀行は、住宅不足は今後も続く上、新築住宅建設b*が遅々として進まないことから価格はまだ上昇すると、強気である。

ABNAmro銀行の不動産市場分析レポート