オランダ投資目的住宅購入の増大、不動産価格と家賃の価格をさらに押し上げる

オランダの不動産価格、とくに都市部での価格の上昇が止まらない。その背景には歴史的に低い金利があると言われてきたが、投資目的での購入増加も一因である。ある投資者向け不動産会社の顧客の半分はローンなしの現金で購入しているという。この傾向は金融危機のころから始まっている。この不動産会社が話した最近の例では、アムステルダムの中心街からはずれたバーシェス地区(かつては低価格地区)にある55平米の部屋を外国人に月々1725ユーロ(20万円)で貸している。購入価格は31万ユーロ(約3800万円)だったのでざっと年額7.5%のリターンである。

オランダ中央銀行の調査でも、6件に1件はローンを組まずに住宅を購入している。アムステルダムに関してはこれが4件に1件とさらに高くなる。この傾向は個人の不動産投資市場の拡大と大きく関係している。とくにアムステルダムとマーストリヒトでは賃貸住宅の極端な不足が問題化しており、これに目をつけた投資家が賃貸用に不動産購入をしているのだ。昨今の低金利で銀行預金は全く魅力を失ったのも、この不動産投資熱に拍車をかけている。
しばらくは、不動産価格と賃貸価格の上昇は続くとみられる。