オランダの農家、跡継ぎ不足に悩む

農業大国オランダの農家での跡継ぎ不足が深刻化している。とくに1人で経営する小規模農家では跡継ぎ探しが困難だ。羊を飼う酪農家と鉢植え植物を生産する農家では廃業するところが出てきている。

現在オランダには5万5千の農業企業がある。このうちの半数の経営者は55歳以上。そのなかで跡継ぎが決定しているのは1万農家のみで、残りはまだ継続者が決まっていない。調査を行った中央統計局(CBS)によれば、もしこのまま跡継ぎが見つからないと今後10年のうちに1万5千軒の農家が消滅すると推定している。

企業の規模が大きくなるほどこの問題に直面する可能性は減る。大規模な経営を行っている乳牛生産農家ではほぼ全企業で跡継ぎがいるという。これに対し、羊を飼う農家と鉢植え植物を生産する農家の跡を継ごうという者は少ない。
跡継ぎ不足は地方によっても異なる。北部の州では会社を継ぐ人が見つかる可能性が南部の州より高い。またユトレヒト州、南ホランド州そしてヘルダーランド州の農家は、廃業や売却の可能性が最も低いという。

CBS