極右政治家ウィルダース氏公判、検察ヘイトスピーチで5000ユーロの罰金請求

外国人への差別や憎悪を扇動した容疑に問われたオランダの極右政党、自由党(PVV )のウィルダース党首の公判が10月30日から始まっているが、17日検察側は5000ユーロの罰金を要求した。ウィルダース氏はイスラム移民、とくにモロッコからの移民を排斥を目的としたヘイトスピーチを行い国民を扇動している。オランダは来年3月に総選挙を控え、このイスラム排斥を訴える自由党が世論調査で1位という高い支持率を維持しており、欧州で急速に拡大する極右政党の台頭を背景に、今回の公判に注目が集まっている。

ウィルダース氏は移民排斥と脱EUを公約に掲げており、低学歴・低所得者層を中心に多くの層の支持を得ている。今年の3月12日の選挙演説で「モロッコ人を追い出せ」という趣旨のスピーチを行ったことで起訴されているが、「言論の自由」を盾にウィルダース氏は反論している。同氏はフランスの右派政治家マリーヌ・ル・ペンの率いる国民戦線など欧州の極右政党との連帯を深めている。