オランダ政府、高齢者のための「人生の終焉」法を検討

人生に終止符を打ちたいと考えている高齢者は、厳しい審査と条件のもとに生を終焉するための幇助を受けることが、オランダで可能になるかもしれない。政府は複数の団体と検討を重ね、特別委員会の調査と研究のもとに法案を作成した。健康省のスヒッパース(Schippers)大臣および安全司法省のファン・デル・ストゥア(Van der Steur)大臣が、12日この「人生の終焉」法案を国会に提出した。

この法案は既存の安楽死法(治癒の見込みがなく、耐えられない苦しみに苛まされているなどの条件のもと、安楽死を受けられる)とは異なるもので、すでに人生に終止符を打ちたいという高齢者を救うための策であると、スヒッパース大臣は説明している。ただし、この自殺幇助を受けるには、カウンセングを重ね、家族など周囲の同意を得るなどの厳しい条件を満たさねばならない。また孤独感に苛まされていたりうつ病を患っている人も対象外となる。まずこれらの問題を解決することが優先される。さらに一時的に死を希望しているが時間がたつとともに生きたいと思い直す人も多いため、時間を重ねカウンセリングを行うことが必須となる。

現連立政権の自由民主党(VVD)、労働党(PvdA)のほかリベラルのD66党がこの法案を支持している。しかしキリスト教民主党(CDA)などのキリスト教系の党および社会党はこれに賛意を示していない。

オランダには「人生の終焉を自分の意思で選ぶ」ことを要求する団体(NVVE)が存在し、すでに16万人以上がメンバーとなっている。

NVVE