オランダの不動産価格高騰、アムステルダムは1年で22%上昇

オランダの住宅用不動産市場はますますバブル化の様相を示している。売り手市場は顕著で、買い手とくに低所得の人にとっては不動産購入は至難の業となっている。売り物件が少ないため、価格は上昇の一方。この背景には、かつてない低金利がある。家を借りるよりもローンの金利が限りなく低い状況では、購入するほうが安いと考える人が多く、需要はますます増加している。とくにアムステルダムをはじめ、フローニンゲン、ユトレヒトなど大学のある都市での住宅不足と価格高騰は著しい。

オランダ不動産業者協会NVMによれば、今年第3四半期には41,000戸が販売されており、これは昨年同時期に比較し15%増。販売価格も平均24万ユーロ(約3000万円)と、7.4%の上昇である。ただし地域差があり、ほとんど価格上昇が見られない地域がある一方、10%以上上昇している地域がある。アムステルダムでは年間22%という異常な上昇が記録されており、深刻な問題となっている。NVMによれば、アムステルダムの住宅価格が2013年の夏時点から50%上昇するのは時間の問題だという。

価格の高騰には低金利だけでなく、供給不足が拍車をかけている。アムステルダムの住宅は低所得者用賃貸住宅が大半を占めており、いわゆるフリーセクターと呼ばれる売買ができる物件が少ない。また、購入する物件が少ないため、新規物件が見つからないのを恐れて持ち家を売却しないオーナーが多い。