オランダ、難民センターの3分の2は不要に。背景にはトルコへの強制送還

オランダで開設が計画されている難民センターの3分の2はおそらく不要になりそうだ。全土で40ヶ所に開設が計画されているがそのうち24ヶ所は実際にオープンするか未定。4ヶ所は、中止が決定された。過去数ヶ月間、難民の流入は予想を大幅に下回っており、現在あるベッドの40%は未使用となりそうだ。
市町村によっては、難民センターの建設で財政赤字となったり、近隣の住民説得の奔走がすべて無駄になったと、国の無計画さに翻弄された怒りを表明している。

難民の欧州流入激減の背景には難民の強制送還措置がある。2016年3月中旬、移民をトルコに強制送還する協定がEUとトルコの間に締結された。移民・難民はトルコへ強制送還され、トルコはシリア難民を欧州へ送る。その見返りにトルコには60億ユーロの資金がEUから提供され、トルコが一定の条件を満たせばトルコ国民は6月からビザなしでシェンゲン圏を移動できる権利が与えられる。ただトルコへの強制送還は人道的にも国際法的観点からも問題がある。しかしEUはこれを黙認し欧州への難民流入を防いでいる。