EU議長国のオランダ、「最優先課題は難民問題」
2016年上半期、オランダがEUの議長国となる。7日オランダのマーク・ルッテ首相はEU加盟国代表をアムステルダムに招待し、ユンカー欧州委員会議長、ティマーマンス副議長とともに記者会見をおこなった。会見では、欧州に押し寄せる難民の数を大幅に減らすこと、加盟国28カ国の間での難民受け入れ配分を公平に行うこと、そして欧州の入り口での警備の強化が強調された。ルッテ首相は「事態は深刻化しており、すぐにも行動に移さねばならない。」と述べている。
難民問題は複雑で、一朝一夕で解決することはできない。まずは加盟国の強い連帯が必要とされると、ルッテ首相。難民の上陸するギリシアやイタリアでの負担を軽減すること、そして加盟国での受け入れ配分を公平にすることが当面の問題である。多くの難民が受け入れ体制の整っているドイツ、オランダそしてスカンジナビア諸国をめざした。しかしその負担に耐え切れずに、スエーデンやデンマークでは国境警備を強化するという。東欧をはじめ多くの国で国境でのコントロールが行われ、EU内の往来の自由を保障するシェンゲン協定が揺れ始めている。
オランダの次に議長国となるのはスロバキアで、EUでの経験も短く難民問題には否定的であるため、オランダはその任期以内に難民問題の解決に取り組むと意気込んでいる。