オランダのクラフト・ビールの輸出好調

オランダのクラフトビールの輸出が好調だ。これまでもクラフトビールのオランダ国内での人気は高かったが、昨年から海外からの需要が大きく伸びている。オランダ国内の10ブランドを海外に輸出する「Bier & Co」は、昨年だけで輸出高は60%増加しており、今年も輸出は伸び続くと予想している。輸出が好調なブランドは、ユトレヒトの「マキシムス(Maximus)」、ゴッホの生まれ故郷ズンデルトの「ズンデルト(Zundert)」、アムステルダムの「ブラウェレイ・アイ(Brouwerij Ij)」と「デ・プレル(De Prael)」やハーレムの「ヨーペン(Jopen)」である。

ハイネケンやアムステル、グロールシュといった大手の大量生産ビールに飽き、クラフトビールに目を向けるひとは多い。クラフトビールの人気はオランダだけにとどまらず、他国でも同様だ。競合が増えるなか、生き延びるには「イノベーション」が鍵になる。「Bier & Co」のオーナーによれば、同じくクラフトビール醸造が盛んなベルギーやイギリスでは、このイノベーションという要素が欠けているらしい。伝統的な白ビール、ブロンドビール、ダブル、トリプルといった同じ製品を作り続けるだけで、新商品を作ろうという意気込みがない。逆にクラフトビールの伝統が薄いオランダでは、この失敗に陥らない取り組みがなされているという。

輸出先は、アメリカ、カナダ、スカンジナビア、イギリスが主だが、最近ではイタリアなどワイン生産国である地中海沿岸の国でも若い人を中心にクラフトビールが流行しており、これらの国への輸出も増加している。