環大西洋貿易投資パートナーシップ(TTIP)機密書類、グリーンピースがリーク

2日、オランダの環境保護団体グリーンピースは、これまで一般に公開されていなかった環大西洋貿易投資パートナーシップ(TTIP)の詳細をインターネットサイトで公開した。TTIPとは、アジアと米国の間で交渉が行われているTPPの欧州版で、両者間の貿易、投資、雇用、情報の行き来をより自由にするため、関税撤廃のほか各種規制の統一や非関税障壁の削減を目ざしている。

今回グリーンピースが漏洩した文書では農作物、食料や化粧品など欧州で規制あるいは保護されている業種で物議を醸している。食品の安全基準は欧州と米国では大きく異る。欧州でホルモン剤や化学物質の使用が制限されている物質の多くが米国では許可されている。化粧品の安全基準も欧州では厳しく設定されている。欧州のワイン業界では、シャンパーニュ、シャブリ、ポルト、キアンティなど生産地に基づいた名称は他の生産地では使用が禁止されているが、これを米国内でも制限したい意向。

TTIPの賛同者は、自由貿易協定は経済の活性化に貢献するとしているが、反対者は食品などの安全性に懸念を抱いている。TTIP書類は機密扱いで、閲覧できるのは政治家のみ。コピーや写真による複製も禁じられている。今回のグリーンピースによる漏洩で多くの内容が明るみに出た。

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