アムステルダムの不動産価格高騰化の背景に、Airbnbなどの民泊人気が
オランダの首都アムステルダムでは、ここ数年不動産価格上昇がうなぎのぼりである。この背景には、観光客向けに家あるいは部屋を貸すAirBnBなどの民泊の人気があるとING銀行の経済調査部が分析している。アムステルダムで、民泊を行うと月平均で税引き後で350ユーロの収入がある。この数字はあくまで年に最高で60日間という規制を守っている場合である。この所得が不動産価格上昇に大きな影響を与えている。
これからアムステルダムで不動産を購入を計画している人は、部屋貸しでの収入を念頭に置いてローンを組むという。月平均350ユーロの可処分所得を考慮に入れると、9万5000ユーロも多くローンが組める。さらに、銀行は今後の不動産価格上昇(それも数10パーセント)もにらみ、貸出金額はこれ以上増やしているといいう。需要が供給を大きく上回っているアムステルダム市内では、不動産価格の上昇は今後も続くと同銀行は見ている。
観光客が多く集まる地区に家を持つオーナーは、これまでにない高い価格で家を売り払い、喧騒から抜け出し郊外へと引っ越せば、金融資産を増やせる。これとは反対にこれから仕事を始めたばかりの人たちにとっては、アムステルダムで家を買うのはかなり難しいため、小さな家で我慢するか賃貸を選ぶしかない。所得が少ない人は、アムステルダムの60%以上を占めるという低所得者用住宅に入居できるが、これも長いウェイティングリスト待ち。さらに中間所得者は低所得者用住宅を借りるには所得が高すぎるという理由で、賃貸も購入も無理という二進も三進もいかない状況である。