典型的なオランダの小売店「HEMA」が生まれ変わる?!

雑貨を中心に衣料から食料まで販売するオランダの小売チェーン「HEMA」が生まれ変わろうとしている。昨年から社長に就任したイエーヘン氏(44)は、経営不振なHEMAをトレンディな店に変えるという重要な使命を受け、イメージ改革に乗り出した。

典型的なオランダのイメージのあるHEMAだが、フランスでは別のコンセプトを導入し成功している。今度はこのコンセプトを逆にオランダに輸入するという戦略である。フランスではすでに47店舗を展開しており、総売上はHEMA全体の7%を占める。オランダで売上が下がっているのとは裏腹に、フランスの売上は31%増加している。フランスのHEMAとオランダの大きな違いのひとつは、商品の陳列である。オランダでは、下着売り場、洋服売り場、靴下売り場が別々になっていたりと目当ての商品を探しにくい。これに対しフランスではきちんと分類され全貌が見やすい。また、オランダでは普通であるカラフルな文房具や雑貨が、フランスでは珍しく、わざわざHEMAに買いに来る人も多いという。

昨年はオランダのデパートチェーンV&Dが倒産、他の小売チェーンも「アクション」などの廉価チェーンの拡大に悩まされている。この中でHEMAは若くクリエーティブな人材を活用し、「ヒップ」なイメージを全面に押し出すことで欧州での拡大を狙っている。