オランダ、ロッテルダムに新火力発電所オープン、気候変動条約「パリ協定」を無視か

ロッテルダムのマースフラクテに21日、新規に石炭火力発電所が稼働を始める。折しも昨年12月パリで国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)で地球温暖化対策の新枠組み「パリ協定」が採択されたばかり。さらに今週末にはニューヨークで正式にこの協定が著名されることになっている。時の流れに反するような新規火力発電所の稼働には、複数の環境保護団体が反対し、グリーンピースは開会式を阻止すると息巻いている。
オランダにはこの新しいマースフラクテの火力発電所の他に、エームスハーフェンそして同じくマースフラクテにもう一基火力発電所がある。新発電所の稼働開始で、オランダのCO2排出量は大幅に増加すると、オランダ排気管理団体(NEA)。

NEAによれば、この3基の石炭火力発電所から約1200万トンのCO2が排出される。2007年にこの新発電所が計画された際、排出CO2は地下に貯蔵するはずであった。しかし、蓋を開ければ資金不足のためこの貯蔵設備はなく、CO2はそのまま大気中に排出される。

元来の計画では、排出されるCO2は輸送パイプを通って、採掘して空になった天然ガス田に貯蔵するというものであった。しかし実現には1億ユーロという莫大な金額がかかるため、EUやオランダ政府の助成金待ちの状態だと電力会社は説明している。