ブリュッセルのテロ容疑者3名は犯行以前から警察の指名手配に

3月22日火曜日にブリュッセルで起きた連続テロ事件で自爆した3人はすでに警察に指名手配されていた。3人のうち2人、カリッドとイブラヒム・エル・バクラウイ兄弟は、昨年11月13日のパリ同時多発テロの容疑者として警察から追跡されていた。パリ事件の容疑者のほとんどは自爆したか逮捕されている。先週にはブラッセルでサラ・アブデスラムが逮捕されている。今回のブリュッセルのテロで、カリッドは地下鉄駅マルベークで、イブラヒムはザーベンタム空港で自爆した。

カリッドはブリュッセル近郊のシャルレロワやフォルストで偽名を使い居住を転々としていた。ISの戦士になるの前2011年カリッドは車強盗で5年の禁固刑を受けている。弟のイブラヒムも6年前ブリュッセルの換金所強盗とそれに続く警官との銃撃戦で9年の刑を受けている。

空港で自爆したもう一人の容疑者はナジム・ラークラウイも2013年にベルギーからシリアに向かったIS戦闘員として、警察に登録されていた。さらに、先のパリでのテロにも関係したとし行方を捜索されていた。ラークラウイも逮捕されたアブデスラムが武器や爆発物を隠していたブリュッセルのスハーベークのアパートに身を隠していたという。

警察ではすでに知られていた容疑者らが、このテロ事件を起こすまでブリュッセルに身を隠せたというのは、警察の手落ちであるとも考えられる。しかし貧富の差が大きいブリュッセルの街には、貧しいアラブ系の人々が住む閉鎖的な地区がいくつかあり、このため警察の捜査が難航したのも確かである。