オランダの中堅デパート「V&D」更生法申請

オランダの中堅デパートチェーンであるV&Dはアムステルダム地裁に負債支払い延期を申請し、23日(水)これが認められた。V&Dは長期にわたり財政困難な状況に陥っており、今年の初めには賃金の5.8%を減額すると発表していた。しかしこれは裁判所で不当と見なされ、最終的に400人を解雇、家主に家賃の値下げを交渉することで一時的に倒産をまぬがれていた。

オランダ全土に62店舗持つV&Dの所有者は米国のプライベート・エクイティ投資会社であるサン・キャピタル社。7月には同社より4700万ユーロの資金注入を得たにもかかわらずV&Dの経営不振は続いていた。とくに11月と12月の温暖な気候が冬物衣料品の売上に打撃を与えたことで、財政をさらに悪化させた。V&Dデパートとそのグループ会社であるレストランチェーン「La Place」は、当分の間営業を続ける。しかしオランダでは負債支払い延期を申請した企業は、ほとんどが倒産をまぬがれないという前例から、存続は危ぶまれている。

22日にはオランダの靴チェーンであるマッキントッシュ社が倒産の危機にあると報道された。Scapino、 Dolcis そして Mansfieldといった中低価格の靴をベネルクス諸国で生産販売している。オランダでは高額商品を扱う店舗そして低価格品を販売する店舗は利益を上げているところが多いが、どちらにも属さない中間的な価格帯を扱う小売企業は苦境を強いられている。