オランダのイケアで恐怖政治?

世界最大の家具販売チェーン「イケア」のオランダ拠点では「恐怖政治が行われている」と、従業員が匿名でスエーデンのオーナーであるカンプラッド氏(89)に書簡を送った。クリスマスメッセージと称したこの書簡で、従業員はオランダのイケアでの経営を見直すよう懇願している。経営に対する批判や提案はことごとく却下される、勤務時間の規定を守らない、社風に合わない社員は解雇される、など現状を報告している。社員は週に7日間いつでも仕事ができる状態であるよう要請されている。介護や子育てなどの個人的な状況は全く考慮されないなど、「最低の契約基準で最大のフレキシビリティを要求」しているとイケアの社風を描写している。

労働組合FNVによれば、イケアでは社員が常時監視され評価されているという。どこの売り場にもマネージャーがいて従業員を監視しているため、思い通りの仕事ができない。恐怖心を与え従業員を操るという企業文化が企業の創造性や発展を妨げる大きな病気である。と従業員は書簡で述べている。

オランダのイケアの業績は順調で、今年の8月までの売上は10億ユーロを超えている。売上の増加は、ズウォレ市に新しくオープンした店舗やユトレヒト店の拡大などが貢献している。イケアはオランダ全土で13店舗あり、約5000人が働いている。