オランダ、司法取引による問責決議、内閣退陣をぎりぎりで免れる

16日夜に行われたルッテ首相と他の2人の大臣に対する問責決議投票で、オランダ政府はぎりぎりで不信任による退陣を免れた。テイフェン取引(Teeven)と称された麻薬王に絡んだ一連のスキャンダルをルッテ首相らが蓋をしメディアに歪曲した情報を出していたことで、野党が問責決議案を提出していた。

このテイフェン取引とは、前司法副大臣であるフレッド・テイフェン氏が検察官であった2000年当時に麻薬王ケースHと巨額な司法取引をしていたもの。この事件でこれまでに、このテイフェン副大臣のほか、オプステルテン司法大臣や下院議長であったファン・ミッテンブルグ氏も退任を余儀なくされていた。先週、特別委員会がこの取引について調査を行った結果の報告書が発行された。この報告書を元に議会で問責決議案が討議されたもの。

野党はこの報告書の内容をルッテ首相が隠していたと追求。これに対しルッテ首相は隠蔽を否定するが、早い時期にテイフェン氏とのやり取りの内容を公表すべきであったと陳謝した。2000年、検察は麻薬王ケースHを逮捕し、税当局が470万ギルダーを没収するが、これを返却する見返りに犯罪組織に関する情報を提供させていた。

ルッテ首相は国会答弁で「13年間の政治家人生において最も厳しい場面に直面した。」と述べている。