オランダ、スーパーのレジ係が高齢者の話し相手に

オランダの大手スーパー、アルバート・ハインは、レジで小さな子供だけでなく高齢者への気配りもすると発表した。来年の1月からハーグにある2店舗で開始するもので、レジにいる店員が高齢の顧客が寂しそうだったり、忘れがちであったり、困っている様子を見せた場合には、短い会話をするというもの。店員が手一杯な場合にはそばにいるボランティアがこれを行う。これはケア企業ロイヤル・ゾルグ(Royal Zorg)とアルバート・ハインが共同で始める「スーパー・ケア(Super Zorg)」と名付けたプロジェクトである。一昔前はオランダでも近所の小売店の店員と顧客が買い物をしながら世間話をするというのが普通であったが、スーパーマーケットでは誰とも言葉を交わさずに買い物をしお金を払うだけ。アルバート・ハインは、地域社会との関係を重視しこれに参加するのがこれからの企業のありかただと考え、このプロジェクトを始めるという。

同スーパーのドールンにある店舗では、認知症の人たちにやさしい店というコンセプトで、認知症の人の買い物の手助けをしている。https://www.portfolio.nl/bazaar/home/show/979  ハーグでのプロジェクトは、高齢者のレジでの様子を観察して、孤独そうな人には話しかけたり、体の具合が悪そうな人にはホームドクターなどへ連絡をしたりするという。店員はこのプロジェクトのために高齢者ケアのトレーニングを受ける。

オランダでは政府の予算削減の影響で、施設に入れない一人暮らしの高齢者が増えている。これに対し、企業が地域社会への貢献という意味で、子供や高齢者そして障害者への手助けを行えればいいと、アルバート・ハイン。郵便のポストNLも郵便配達の際に地域の様子を見守るという試みも始めている。https://www.portfolio.nl/bazaar/home/show/1160