郵便配達員、地域の目となり耳となる
「郵便配達員が、地域を見守る。」オランダの郵便会社ポストtNLは今後数万人の配達員にこの職務を与える計画である。郵便や小包を届ける途中で、例えば道路に放置されている粗大ごみ、溢れているゴミコンテナーなどがあれば、写真を撮って市役所の担当部門に報告するという、地域をくまなく回っているからこそできる業務である。
インターネットの普及で郵便物の量は年々減る一方。これにより郵便配達員の需要も減り解雇が続いている。しかし、このような業務を市町村と提携して行うことで収入を得れば、従業員を保持することが可能となる。
ロッテルダムに近いスヒーダムではすでにこのサービスが試験的に行われており、よい結果を出している。ゴミコンテナーの様子だけでなく、交通標識が外れていたり、道路の柵が壊れているのを見つけた場合もすぐに通報することで、市町村もよりよいサービスができるとポストNL。
ポストNLはこの業務を今後はインフラ面だけでなく社会生活面にも広げたい意向である。実はこういったサービスはすでにベルギーの郵便会社Bpostで行われている。ボーム、オステンデやハッセルトなどの市では、郵便配達員が80歳以上の高齢者を訪問し、様子をたしかめ、困っていることがないかを尋ねるというサービスを行っている。ポストNLも同様なサービスができるかどうか、また市町村の要望があるかどうかを調査中である。