フェルメール作「デルフトの小道」の場所が特定される

17世紀のオランダを代表する画家フェルメールが手がけた現存する二枚の風景画作品の内のひとつ「デルフトの小道」。これまで多くの専門家たちがこの絵が描かれた場所を特定しようと試みてきたが、どれも決定的ではなかった。

このたびアムステルダム大学の美術史教授フランス・グレイゼンハウト氏が、この小道がデルフトのフラミング通り(Vlamingstraat)40−42であるという説を発表したが、どうやらこれは決定的らしい。同教授は当時(1658年)の納税書類を徹底的に調べ、運河沿いの家の持ち主が運河の保全にどれだけ支払っていたかを洗いだした。税額は家の幅で決まっていたため、納税額から逆算して、当時のすべての家と路地の幅を特定したのである。この結果、教授はフェルメールが描いた家の場所がフラミング通り40−42であると結論づけた。現在建っている家は19世紀のものだが、路地の門は当時とほぼ同じである。

この作品はアムステルダムの国立美術館に展示されている。