フェルメール「真珠の首飾りの少女」、最新ハイテク機による謎の解明を一般公開

26日午後、ハーグのマウリッツハイス美術館でヨハネス・フェルメール(1632-1675)の描いた「真珠の首飾りの少女」のハイテク機器を駆使した科学的解析が始まった。世界で最も有名な少女のひとりである謎の微笑みをたたえた「真珠の首飾りの少女」は劣化が始まり修復が必要になりつつあり、このための精査である。専門家による緻密な精査はガラス張りのアトリエで行われるため一般の人も様子を見ることができる。

この肖像画が最後に検証されたのは1994年のことだ。当時、修復プロジェクトの一環として、この極めて貴重な作品から塗料のサンプルが研究用に採取された。その後テクノロジーは大きな進化を遂げており、マウリッツハイス美術館によれば、今ではスキャナとX線装置を使えば、キャンバスの表面に触れなくても、フェルメールがこの少女をどのように描き、どのような塗料を用いたかがわかるという。これは修復作業に大きな貢献となる。

マウリッツハイスの館長は「この少女が元々どのような姿だったのかを、最も正確に推測できる」とこの精査に意欲的だ。2週間の調査期間中に収集したデータが、この少女に関する多数の疑問への答えを提供してくれるものと期待を寄せる。レンブラントなどの他の有名画家の技法が解明されているのとは対象的に、フェルメールの画法はほとんど解明されていない。フェルメールは実際どのようにしてこの絵を仕上げたのか。どこから描き始めたのか。表面の下の層はどうなっているのか。どのような塗料を使ったのか。塗料はどこから入手したのか、といった疑問が、今回の精査で解明されるのではと期待されている。

「スポットを浴びる少女」と題された今回の科学的分析の一般公開は、3月11日まで。

マウリッツハイス美術館のニュースリリース