パリ同時テロ事件の容疑者のひとり、ベルギーのモーレンベーク出身

13日にパリで起きた同時テロの容疑者のひとりで指名手配されているサラ・アブデスラム(26)が「ベルギーのモーレンベークのアパートにいる」という情報を受け、16日100人態勢で捜索を行ったが、容疑者は見つからなかった。サラ・アブデスラムの弟は今回のテロ事件の最中にフランス警察に射殺されている。

ブラッセルの1地区である人口95,000人のモーレンベークは、現在テロリストの拠点としてベルギー警察に危険視されている。2014年5月24日にブラッセルのユダヤ博物館で起きたテロ事件の犯人はこのモーレンベークの団地に住んでいた。2015年1月7日に起きたパリの雑誌社「シャルリー・エブド」事件の武器はこのモーレンベークから運ばれたもの。2015年1月にベルギーのヴェルヴィエでテロ事件未遂は、警察が阻止したが、この犯人も同地から来ている。さらに8月21日のアムステルダムからパリに向かう列車でのテロ未遂事件の犯人は、モーレンベークから列車に乗っている。

ブラッセルのモーレンベーク地区はベルギーでも最も貧しい地域のひとつ。3人に1人が失業中で、その半分近くが貧困生活を送っている。さらに若者の4人に1人が高校を中退している。「どうせ仕事がないなら、卒業する必要はない」と考えている。また、ブラッセルには裕福な地域が多いのに対しモーレンベークは貧しく、その格差は大きい。そこに大きな不公平感を抱いている人は少なくない。アラブ系の移民が多いモーレンベーク出身者は就職の際にも差別されているという。こういった不公平感と不満そして閉塞感からシリアやイラクの過激派グループに身を転じる青少年が多いとメディアは分析している。