オランダ、高速列車「Fyra」の失敗でインフラ・環境省副大臣辞任

オランダのアムステルダムとベルギーのブラッセルを結ぶ高速列車「Fyra」が2012年に開通した直後、数々の故障や技術的問題が発生し、事実上の廃線となった。政府はこれに関する特別委員会を設け調査を行ってきたが、28日「失敗は政府とオランダ国鉄(NS)にある」という趣旨の報告書を発表。インフラ・環境省のウィルマ・マンスフェルド副大臣(労働党)が辞任した。

Fyraは2012年12月9日よりイタリアのアンサルドブレダ社製の高速電車V250を使用して、オランダとベルギーをまたぐ系統(アムステルダム中央駅 – スキポール駅 – ロッテルダム中央駅 – アントワープ中央駅 – ブラッセル中央駅 – ブラッセル南駅)の運行が開始された。しかし開業直後から寒波の影響などで定時運行率が50%を割り込み、
車両の故障による遅延や運休が頻発してるとして2013年1月18日からベルギー国鉄は安全が確認できるまで運行停止にすると発表、事実上の廃線となった。オランダでは品質を顧みず安易に価格の安い車両を導入したのが原因として批判を浴びていた。

報告書は、Fyra計画が政治的そして財政的な利害が優先され、利用者である国民を無視して行われたと批判している。政府は入札時点で品質を顧みず最も安い機種を選択し、オランダ国鉄NSはマーケティング戦略のみを追求していた。