オランダ、食料の廃棄を減らす努力

リサーチ会社GfKがラボバンクの依頼で1000世帯を対象に行った調査によれば、オランダ人の30%が1週間に何度も食料や飲料を捨てている。とくに30歳以下の若い人たちは食料を捨てることにあまりこだわりがない。ほとんどの人は無意識に食料を廃棄しているが、この習慣を変えるのは難しいと答えている。
ただ70%の人はこの習慣を変えたいと考えている。食料の価格が上がれば捨てる習慣は減るという人は12%いる。さらに購入量を減らし、余ったものは冷凍する習慣にすればいいと考える人も多い。

生産者あるいは販売者側では、一人用の小さなパッケージを用意したり、余ったものを保存しやすいパッケージにしたりすれば、捨てる食料の量は減る。また賞味期間切れに近い商品を安くすることも解決のひとつである。回答者の3分の1は、開封しても簡単に保存可能な商品はやや高くても買ってもいいと答えている。

賞味期限(houdbaarheidsdatum)というのも曲者である。4分の1のオランダ人は賞味期限で食べ物の質が落ち、食べられなくなると信じており、この期限が切れた食料や飲料は廃棄している。この傾向は若い人ほど顕著で、3分の1以上が賞味期限切れの食品を捨てている。賞味期限(ten minste houdbaar)と使用期限(te gebruiken tot-datum)の違いをはっきりさせることで、食料廃棄率は減る。生産者や販売者側では消費者にこの違いを理解してもらうことが必要である。とラボバンクは調査結果を分析している。ラボバンクは世界の人口が90億人となる2050年まで持続する食料供給を目指した経済を促進したいという。