先週だけで3100人の難民がオランダに入国

難民受け入れ管理組織、中央難民センター(COA)が発表した数字によれば、9月の第2週、一週間でオランダに入国し難民申請した人は3100名に上る。12日(土)までの入国者が2400名だったものが、13日(日)には3100名にまで増加するという勢いで、この数は伸びる一方である。

COAでは、とてつもない勢いで増加する難民の受け入れ体制がまだ整っていないため、急遽オイアスホット(Oirschot)にある国防軍基地の兵舎を解放し、一時的に難民を収容することを決定した。基地には最高72時間滞在でき、その後は他の収容施設へと送られる。オランダには、数千人を収容できる大規模な難民センターがないという問題をかかえている。COAの所長は「前代未聞の状況」だと困惑を隠せない。12日土曜日には、ヴィールト(Weert)市が、現在使用していない兵舎を難民に提供することを「住民の同意が得られていない。」という理由で拒否した。オランダでは多くの自治体が難民受け入れに同意しているが、拒否の体制を崩さない市町村もある。

反移民・反イスラムを標榜する極右政党自由党(PVV)の党首ウィルダース氏は、難民流入を「深刻な緊急事態」だと称し、速やかに国会で討論すべきだと主張している。同氏は「難民のオランダ入国を即刻禁止」という姿勢を貫いている。来週15日火曜日に来年度予算案が発表される「プリンシェス・デー」を目前に控え、難民受け入れに関する国家方針についてはまだ討議されていない状況である。オランダでも難民受け入れに反対する人は少なくなく、最新の世論調査ではウィルダース氏の率いるPVV党の支持数が増えている。

欧州内でも難民受け入れを拒否する国もあり、バルカン半島経由で欧州に入国する難民をハンガリーでは阻止している。難民はハンガリー経由でドイツそして北欧を目指すが、ハンガリーに入国できないとその希望は絶たれる。