オランダさらに7200人の難民を受け入れ、EUの決定

欧州連合(EU)は、5日のEU外相会議で、今後2年間に欧州にやってくると予想される12万人の難民について、各国の受け入れ割り当てを発表した。これによれば、難民バルト三国は当初の割り当て数の半数以下となり、オランダ、ドイツ、フランスなどではこれまでより多い難民を受け入れることになる。オランダは今年の夏に提案された割り当てでは2,047名だったが、今回の決定で7,214名となる。EUは加盟国の人口構成、国民総所得、難民申請数、失業率などを基準に割り当て数を義務化したい意向であるが、反発する国も多く義務化の合意には達していない。
ドイツ、フランスはそれぞれ31,443名、24,031名と割り当てが最も大きい。スペイン(同14,931名)やポーランド(9287名)もかなりの数が割り当てられているが、両国はこの決定に強く反発している。

オランダ国内での世論も受け入れ歓迎派と反対派に分裂している。オランダ中央難民機関(COA)によれば、歓迎派は、数十のグループが難民のために衣類や生活必需品を集めるなど積極的な行動を繰り広げている。「難民を自宅に受け入れる」というフェイスブックのページには、すでに2万人がサインアップしている。さらに、「Divorce」という人気TVシリーズのスタッフは先週、難民が押し寄せるギリシアのレスボス島でロケを行い、オランダ国民に向け寄付金や衣類の寄付を呼びかけた。

しかし,COAはこの難民援助のヒートアップした状況に少しブレーキをかけようとしている。難民センターは衣類やぬいぐるみで溢れかえっており、収集がつかない状態。さらに、20年近く前のユーゴスラビア紛争時での苦い経験もある。当時、一般家庭で難民を引き受けたが、戦争のトラウマで精神の不安定をきたしている人々に対し、専門的な対応はできなかった。先日、メディアに公開された海辺に打ち上げられた3歳の難民の子供の写真で、難民に対する同情が一気集まり、ボランティアを申し出る人が急増した。COAは、難民援助に手を貸したい人は、まずCOAなどの難民援助団体に登録してほしいと述べている。

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