オランダの火力発電所、石炭の使用量が劇的に増加
オランダの火力発電所での石炭の使用が、この去5ヶ月でこれまでにないレベルに達した。持続可能なエネルギー資源への転換、温室効果ガス削減といった目標を政府は掲げるものの、蓋を開けてみれば、石炭使用量は過去3年間の3分1以上も増えている。
石炭火力発電による温室効果ガスの発生量はガス火力発電による発生量の2倍である。オランダ中央統計局の発表によれば今年の第二四半期の炭酸ガス排出量は昨年同時期より4.1%も高い。石炭火力発電もそれに加担しているが、経済活動の活発化(1.6%成長)や4月の悪天候による暖房使用で電力使用が増加したことも排出を促進した。
温室ガス発生を防ぐには石炭火力発電所の閉鎖が望ましい。すでに5ヶ所の老朽化した石炭火力発電所の閉鎖は決まっているが、最後の閉鎖は2017年の7月の予定とまだ先の話である。その上、エームスハーフェンとマースフラクトの2箇所に新規石炭火力発電所が建設されたばかり。この背景には石炭は他の燃料よりも安いことがある。
電力会社は二酸化炭素排出に対して、欧州の温室効果ガス排出権枠を買わねばならないのだが、この排出権の価格が安いためなかなか化石燃料から他の燃料に移行できないという実情もある。