ルッテ首相「オランダの黄金時代をもう一度」

「オランダは17世紀の黄金時代に戻らなければならない。」先週の土曜日にアムステルダムの海洋博物館で行われた「帆船会議 (Het Nationale Sail Debat)」にて、マーク・ルッテ首相がスピーチで語った。東オランダ会社(VOC)を設立したオランダは、世界を股にかけ交易を行い巨大な富を築き上げたが、首相は当時のオランダ人の起業精神を取り戻そうと強調した。「地球温暖化による海面の上昇を管理できるのはオランダ。将来70億人いや100億人の食料を供給する技術を提供できるのもオランダ。」だと首相。さらに高齢化社会についても、これまでに培ってきたノウハウで対処できると強調した。首相によればオランダ経済はさらに年間1−4%成長できる。特に貿易部門での成長に期待しており、これまで大企業主導であった貿易使節団に中小企業を加え、国際市場での活躍を促進したい意向。

ルッテ首相の「東オランダ会社(VOC)精神論」は2006年に、当時の首相であったバルケネンデ氏のスピーチを思い起こさせる。バルケネンデ首相は、東オランダ会社の経済的な側面のみを強調したことで、倫理面での暗い過去を闇に葬ったと批判を浴びていた。ルッテ首相のスピーチも、国民の反応は冷ややか。「黄金時代(Golden Age)よりも持続可能な緑の時代(Green Age)を築くべき」「今後増加の一途をとる難民の住宅や手当金は増え続ける中、このような夢の話をするのはばかげている。」「アジアが経済をリードしているときに、VOC精神などというのは甚だ時代錯誤」と、手厳しい。
会議は経営者団体VNO-NCWのデ・ブア会長による、サッカーと経済を比較するスピーチで締めくくられた。「オランダは昔は強かった。しかしどんどん弱くなっている。今後もっと経済的にも大志を抱くべき」だと語った。