ユトレヒトの「ミッフィー・アート・パレード」8体、損壊を避け美術館へ避難

オランダを代表するウサギのミッフィー(うさこちゃん、Nijntje)が、生まれ故郷であるユトレヒトでちょっとした苦難に見舞われている。ユトレヒト市内に置かれていた8体の「ミッフィー・アート・パレード」像が、耳をちぎられたり、壊されるという被害を受け、これを避けるためセントラル・ミュージアムの庭に移された。昼間は警備員が警備し、夜は庭のドアを閉めて損壊を防ぐ。

「ミッフィー・アート・パレード」とは、ミッフィー誕生60周年を記念し、オランダと日本のアーティスト60名が180cmの真っ白なミッフィーに装飾やペイントを施したもので、両国で展示されている。ユトレヒト市ではドム広場やフィスマルクトなど8ヶ所で展示されていたが、3体が破損などのいたずらにあったため今回の措置が取られたもの。オランダでは他にハーグ、スキポール空港、ファルケンブルグに像が置かれているが、どれも美術館やホテルなどの屋内である。唯一アムステルダムだけは、屋外のミュージアム広場に設置され観光客の目を楽しませている。

オランダにある45体のミッフィー像は、10月8日にアムステルダム国立美術館でオークションにかけられ、収益はユニセフの教育プロジェクトに活用される。日本にある15体は2016年末まで展示され、その後オークションに出されるという。

今回ユトレヒトに置かれた像の作者のひとりであるリチャード・ハッテンは、作品を真っ二つに割られた。「犯罪行為以外の何ものでもない。それも生まれ故郷で起きるなんて。ミッフィーを見たら誰だって明るい気持ちになるはずなのに、どうしてこんなことが起きるのかわからない。」と落胆を隠せない。ミッフィー像はポリエステル製だから、よほどの力を加えないかぎり壊れないはずである。壊された像はすべて修復されている。

ミッフィー・アート・パレード