2023-05-08
トルコの大統領選挙の投票、アムステルダムで乱闘
オランダに住むトルコ人とその子孫は50万人を超える。トルコ国籍を保持している人が多いという。
昨日日曜日、トルコ大統領と衆議院選挙の投票もオランダ各地で行われた。夜9時ごろ、アムステルダムの投票所があるRAIでは、現職のエルドアン大統領を支持する保守派と反体制派のクルチダルオール氏を支持する人の間で、乱闘事件が起きた。オランダの警察が介入し収まったもの。負傷者の有無などはまだわかっていない。
トルコ大統領選の投票所は、アムステルダムの他、ハーグ、デンフェンター、そしてアイントホーフェンに設けられていた。
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2023-02-15
トルコ・シリア地震、オランダ1日のキャンペーンで40億円寄付金
月曜日から始まったトルコ・シリア地震の被災者を援助するためのテレビ・キャンペーンで、約6時間以内に2860万ユーロ(約40億円)が集まった。募金は援助団体をまとめるGiro555に送金されている。
さらにオランダ政府も1000万ユーロ(約14億円)を追加援助すると発表し、国民に対しても募金を呼びかけている。政府は先週にも1000万ユーロを援助金としてGiro555に拠出している。
Giro555というのは、ボランティア団体 Care, Cordaid, Kerk in Actie, Nederlandse Rode Kruis, Oxfam Novib, Plan Nederland, Save the Children, Stichting Vluchteling, Terre des Hommes, Unicef Nederland、 World Vision が行う援助への寄付口座である。
オランダでは世界での災害が起きるたびに、このテレビ・ラジオでのGiro555募金キャンペーンを行っている。2004年のアジアでの津波では2億ユーロ(約250億円)が募金された。放送局も国営放送だけでなく民放も協力し、どのチャンネルでも視聴できるようになっている。月曜日から始まったこのキャンペーンには約170人の有名人が出演した。
オランダ人は節約はするが寄付にはお金を惜しまないと言われているが、実際にはどうなのだろう? Van Teunenbroek氏の調査によれば、寄付をするという世帯は全体の73% 平均360ユーロ、オランダ全体で20億ユーロという結果が出ている。
2023-02-09
シリア・トルコ地震でオランダの援助隊活躍
2月6日にトルコとシリアの国境付近で発生した大地震で、すでに15,000人の死亡が確認されている。オランダのUSAR(Urber Search Rescue Team)は地震発生後すぐに65 人の男性と 8 匹の犬を率いてトルコ南東部に向けて出発し、ハタイ市の近くにベース キャンプを設置した。これまでに 11 人と犬 1 頭をがれきから救出ししている。すでに3日以上過ぎた現在でも救助活動は続いている。
USARは各国にあるが、オランダでは145人が災害などの非常時のために常に待機している。彼らは日常は看護師、医師、消防士、救急救命士など通常の仕事に従事している。USAR は 2003 年に設立され、モロッコ (2004 年)、ハイチ (2010 年)、レバノン (2020 年) などで災害を支援を行った。USARが実際に配備されるかどうかは、外務開発協力省が決定する。
シリアは現在アサド政権に対する制裁で、国民はエネルギー不足そして貧困に悩まされている。とくに地震が起きた北部では内戦ですでに都市は破壊されており、今回の地震でさらに崩壊が進んだ。さらに地震で大被害を被った地域は反政府勢力が支配しているため、政府からの援助も進んでいない状況だ。また制裁により、トルコの国境が閉鎖されており援助隊や援助物質も届きにくい。さらに夜になると零下という寒さで生存者の今後の状態も危ぶまれている。
オランダ政府は昨日1000万ユーロを寄付すると発表。民間でも寄付を募っており、一般災害用のGiro555や赤十字Giro724に送金できる。
2018-02-05
オランダ政府、トルコ大使召喚。関係さらに悪化か
オランダとトルコ間の関係正常化に関する話し合いは決裂し、5日オランダは在トルコ大使を召喚することを決定した。昨年3月からトルコはオランダ大使を歓迎しない声明を発表、これに対し今回は正式に本国に召還するとオランダ政府は決定したもの。さらにハーグに駐在するトルコのオランダ大使を認めないとしている。
昨年12月から両国の関係は改善されてきたように見えた。新外務大臣であるザイストラ氏はブリュッセルにおけるNATO会議でトルコの外務大臣と非公式に接触をし改善を進めようとしていた。そしてその後トルコのエルドアン大統領もオランダを含む西欧各国との関係を良好にしたい意向を表明していた。
オランダとトルコの関係の悪化は昨年3月の事件にさかのぼる。トルコの国内相カヤ氏がオランダ在住のトルコ人(二重国籍)に対し選挙演説を行おうとロッテルダムにやってきた。オランダ政府はカヤ氏を許可がないとして警察に即刻退去させている。さらに最近ではオランダはトルコによる北シリアへの攻撃に対しても穏やかではない。
2017-03-14
オランダ・トルコの関係悪化、EUはトルコに制裁緩和要請
オランダで演説を予定していたトルコのチャブシオール外相が入国を拒否された問題をめぐり、両国の関係が悪化の一途をたどっている。トルコ政府は13日、オランダとの間で「高官レベルの関係」を停止する方針を示した。さらにオランダへ経済制裁を加えると発表している。チャブシオール氏の訪問が拒否されたことに対し、エルドアン・トルコ大統領はオランダ政府をナチスに例えるなどして強く反発。オランダのルッテ首相はこの発言を非難して謝罪を求めた。
オランダの決定にはドイツやフランスを始めとした多くのEU諸国が賛同を示している。問題は、トルコがイスラム国であるということより、今回のチャブシオール外相のオランダ訪問目的が、「エルドアン大統領独裁国家」成立を擁する憲法改正に対する賛成票をトルコ系オランダ人から集めるものだったことにある。EUはエルドアン大統領によるトルコの独裁国家成立には反対だ。
EUのティマーマン副総裁(オランダ人)はトルコの処置は行き過ぎだとし、行動を控えるよう促している。さらにNATOも両国に対し冷静な対処をすべきだと命じ、NATOのトルコにおける存在は地政学的に非常に重要であると論じている。
ただ当初は言論の自由をもとにトルコ外相入国に入国を認めていたのが、13日に突然拒否。この背景には、明日15日の総選挙での反イスラム勢力(PVV党)の支持の拡大を防ごうとする意図があったことも確かである。
2017-03-11
オランダ政府、トルコ外相の入国拒否、その後デモ隊と衝突
オランダ政府は11日、トルコのチャブシオール外相のオランダ入国を拒否すると発表した。チャブシオール外相は11日土曜日にロッテルダムで演説を行う予定だった。「オランダに住むトルコ人がロッテルダムで集会を行うことは、公共の秩序を乱しセキュリティの問題を伴う。」としオランダ政府は今回の外相訪問を拒否したもの。
この集会は、トルコの憲法改正に関する国民投票を巡りオランダ在住のトルコ人(オランダとトルコの二重国籍者で40−50万人オランダに住む)へ賛成への投票を呼びかけるもの。これまでオランダ政府とトルコ政府で交渉が続けられていたが、最終的にオランダ側の拒否の決定となった。これに対しトルコのエルドアン大統領はオランダを「ナチス、ファシスト」と呼び非難している。さらにオランダに対し経済制裁を加えると発表した。
オランダ政府は15日の総選挙を前に、イスラム教のトルコ外相の入国には非常に敏感になっている。これを許可することで、極右PVVの支持者をさらに増やすことになりかねないという懸念が、今回の入国拒否の背景にあると見られる。トルコの政治家の入国を拒んだのはオランダだけでなく、オーストリアとドイツも同様にこれを拒否している。
11日夜から12日未明には、ロッテルダムのトルコ領事館付近で、オランダのトルコ系住民のデモ隊とオランダ治安当局との間で衝突が起き、負傷者と逮捕者が出ている。
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