オランダ政府、トルコ外相の入国拒否、その後デモ隊と衝突

オランダ政府は11日、トルコのチャブシオール外相のオランダ入国を拒否すると発表した。チャブシオール外相は11日土曜日にロッテルダムで演説を行う予定だった。「オランダに住むトルコ人がロッテルダムで集会を行うことは、公共の秩序を乱しセキュリティの問題を伴う。」としオランダ政府は今回の外相訪問を拒否したもの。

この集会は、トルコの憲法改正に関する国民投票を巡りオランダ在住のトルコ人(オランダとトルコの二重国籍者で40−50万人オランダに住む)へ賛成への投票を呼びかけるもの。これまでオランダ政府とトルコ政府で交渉が続けられていたが、最終的にオランダ側の拒否の決定となった。これに対しトルコのエルドアン大統領はオランダを「ナチス、ファシスト」と呼び非難している。さらにオランダに対し経済制裁を加えると発表した。

オランダ政府は15日の総選挙を前に、イスラム教のトルコ外相の入国には非常に敏感になっている。これを許可することで、極右PVVの支持者をさらに増やすことになりかねないという懸念が、今回の入国拒否の背景にあると見られる。トルコの政治家の入国を拒んだのはオランダだけでなく、オーストリアとドイツも同様にこれを拒否している。

11日夜から12日未明には、ロッテルダムのトルコ領事館付近で、オランダのトルコ系住民のデモ隊とオランダ治安当局との間で衝突が起き、負傷者と逮捕者が出ている。