オランダ・トルコの関係悪化、EUはトルコに制裁緩和要請

オランダで演説を予定していたトルコのチャブシオール外相が入国を拒否された問題をめぐり、両国の関係が悪化の一途をたどっている。トルコ政府は13日、オランダとの間で「高官レベルの関係」を停止する方針を示した。さらにオランダへ経済制裁を加えると発表している。チャブシオール氏の訪問が拒否されたことに対し、エルドアン・トルコ大統領はオランダ政府をナチスに例えるなどして強く反発。オランダのルッテ首相はこの発言を非難して謝罪を求めた。

オランダの決定にはドイツやフランスを始めとした多くのEU諸国が賛同を示している。問題は、トルコがイスラム国であるということより、今回のチャブシオール外相のオランダ訪問目的が、「エルドアン大統領独裁国家」成立を擁する憲法改正に対する賛成票をトルコ系オランダ人から集めるものだったことにある。EUはエルドアン大統領によるトルコの独裁国家成立には反対だ。

EUのティマーマン副総裁(オランダ人)はトルコの処置は行き過ぎだとし、行動を控えるよう促している。さらにNATOも両国に対し冷静な対処をすべきだと命じ、NATOのトルコにおける存在は地政学的に非常に重要であると論じている。

ただ当初は言論の自由をもとにトルコ外相入国に入国を認めていたのが、13日に突然拒否。この背景には、明日15日の総選挙での反イスラム勢力(PVV党)の支持の拡大を防ごうとする意図があったことも確かである。