ロシアのガス依存を減らすには。フローニンゲンのガス田再開は?

ウクライナ戦争でロシアからのオランダへのガスの供給が問題化している。今のところ供給は滞っていないが、ガス料金は急激に上昇している。さらにロシアに対する制裁措置の報復としてガスの供給が止まる可能性もないわけではない。オランダや欧州各国は他の供給ルートを探っている。

オランダで使用されるガスの15%がロシアからだが、ドイツなど他国ではこの依存度はもっと高い。欧州全体ではガス供給をロシアからの輸入に約40%依存しており、その大部分はパイプラインを経由している。オランダの国営ガス企業ガスユニー(GasUnie)はドイツと協議した結果、ロシアの天然ガスへの依存を減らす計画に乗り出した。液化天然ガス(LNG)の輸入に力を入れ、ドイツに貯蔵ターミナルを建設するなど早期の実施実現が期待されている。またドイツのWilhelmshaven とBrunsbüttelに建設計画のLNG貯蔵ターミナルは今年中には建設に着工できそうだ。Brunsbüttelでは未来のエネルギーである水素の貯蔵も計画されている。
現在LNGを輸出しているのは米国やオーストラリアなどだ。

実はオランダには2兆7,400億立方メートルの天然ガスを獲得できるこのガス田が北西部のフローニンゲン州にある。これはヨーロッパで最大の天然ガス田であり、世界でも最大級なのだ。しかし近年の採掘による地震と家屋の損傷が問題化し、今年から採掘を停止するという決定がくだされていた。政府はこのエネルギー危機でもガス採掘の再開はしないと発表している。ただ国民の38%が再開を望むという調査の結果も出ている。
(画像:2014年National Geographic、ロシアからのガスと石油)