履歴書や面接なしで就職、オランダでも始まる

履歴書送付や面接もなしで即仕事を開始、というシステムがオランダでも始まった。オープン雇用(Open Hiring)という米国で使われている方式がオランダにやってきた。最初にこのシステムを取り入れたのはウーデン市にあるベビー用品小売りチェーン「ママルース」である。今年3月にこの会社で働きたいという人たちがリストに名前を記入した。就職希望の人は例えば10kgを持ち上げられるとか、4時間立ち続けで仕事ができるなどといった特技を記入するだけで、学歴や職歴、年齢、性別などは書く必要がない。55歳の失業者であるコルネーさんは、これまで何度も履歴書を送り、面接を重ねてきたが、年齢でひっかかり就職ができなかった。ところが今回のオープン雇用ですぐに就職が決まり、コルネーさんも会社側も満足しているという。

オープン雇用システムは35年前に米国のバーニー・グラスマンが考案したもの。グラスマンは、グレイストン・ベーカリーを設立し、仕事をしたい人が名前を記入するだけという、就職にかかわる様々な壁を排除し、人材を確保することに成功した。履歴書と面接だけで選考すると、多くの良い人材を見捨てることになりかねない。本日もウーデン市ではチェイン・ロジスティックスが同じ方法で人材を集める。同市にある他の企業も同じ方法を試行する予定だ。

オランダの失業率は史上最低のレベルまで落ち、4月には30万人となった。しかしながら、性別や年齢や経験などを考慮しなければ「働ける」という潜在求職者は110万人ほどいると見られている。人手不足の今、このような雇用方法は雇用者も求職者の両方にプラスになる。ただし、当然ながらこのシステムがどんな職種や企業にも通じるというわけではない。

Open Hiring