コロナウィルスで雇用が増えている業種は?

コロナ危機で多くの企業が求人を中止する中、雇用に躍起となっている企業もある。

今年の初めまでは人手不足で喘いでいたオランダだが、ロックダウン後急激に求人が減った。人材派遣業のビアレンスホット社によれば、ホテルや飲食業では53%、観光業で48%、ドライバー29%、小売22%減である。それでも求人はまだまだ増えている業種もある、と同社。人材派遣の需要が増加しているのが、配達、スーパーマーケット従業員、ロジスティック関連。どれもロックダウンで買い物に出かけずオンラインで買い物をする人が増えていることを顕著に表している。

オランダの民放局rtlzの調査によれば、4月8日から21日の週で最も求人が増えたのが、郵便配達で前週の106%増、ホームヘルプ34%増、建設業務32%増が記録されている。ICU専門の看護士やソフトウェアエンジニアの求人も多い。

コロナ危機以前には深刻な人手不足が続いていたIT分野だが、危機が去った後でも状況は変わらないと見る向きが多い。建設業も盛況は変わらず、いまだに求人は多い。ただし経済の縮小と相まって、この分野も需要が減りコロナ後2年間で15%程度縮小し、14,000人が失職すると建設業経済研究所(EIB)は予測している。
さらに農業では東欧からの季節労働者が帰国してしまい、野菜・果物を収穫する人手が大幅に不足している。現在シーズン真っ盛りのアスパラガスの収穫も、飲食店で働いていたオランダ人を採用するなどしているが、いまだに人手が足りないという。夏以降の果物の収穫が危ぶまれている。