フルタイムで働く若い女性の率オランダは欧州で最低。女性はお金より心の余裕を求める

オランダの若い女性は同世代の男性と比べると経済的な自立度が低い、という意外な調査結果を社会文化計画局(SCP)が発表した。若い女性は早いうちにパートタイムでの就業を選ぶため収入が少ない。ここで言うパートタイム就労は日本のパートタイムとは違い、週に3日あるいは4日働くといった就労時間がフルではないもの、雇用条件はフルタイムと変わらない。欧州の他国と比較すると、オランダの女性の就業時間は最低のレベルだ。男性が週に37時間働くのに対し女性は29時間となっている。

とくに30−35歳の女性の自立度は低い。自立に必要な最低月額920ユーロの収入を得ている女性は67%(男性は82%)
25歳までの女性の63%は最初から週に35時間以下のパートタイムの就業を選んでいる。これに対し男性は30%
特に育児期間(30−35歳)が重なる女性では68%がパートタイム勤務だ。収入が少なくとも趣味や育児と両立できる仕事を選ぶ傾向がある。これに対し男性は収入やキャリアを優先する。
雇用者側にも問題がある。新卒者をフルタイムではなくパートタイムで雇用する企業が多い。仕事に慣れた時点でこれがフルタイムに変わるというもの。この時点で女性はパートタイムでいることを希望することが多い。
ただし、パートタイムを選ぶ女性側の意見も一理ある。フルタイムで働くことは、恋人や家族、友人そして自分のための時間がないためストレスや愛情欠如を引き起こす。24時間常に戦闘態勢でいることが要求される。人とのぶつかり合いも多い。パートタイムで働くことで金銭的以外の将来への備えもできる。オランダ人の女性は、お金よりも心の余裕をとるようである。

SCPの調査結果