オランダ、正社員の女性のほうが契約社員より出産早く

高等教育を受けたオランダ女性は、正社員のほうが契約社員よりも子供を出産する年齢が低いことが中央統計局(CBS)の調査で判明した。言い換えれば女性は雇用が安定している正社員になるまで出産を待つということになる。これに対し中等教育のみの女性で見ると、この差は雇用形態でほとんどないことがわかった。

CBSは、2003年から2015年の間にパートナーがいて子供がいない18歳から45歳の女性を対象に、いつ子供が家族に加わるかを調査した。契約社員では調査後1年以内に子供を作るという女性は全体の13%、これに対し正社員は18%となっている。ちなみに仕事がない女性はこの数字は上がり19%。

CBSによれば、「一般に高学歴女性はまずキャリアを磨き、それから子供と考えるので、正社員になった時点ですぐに決断するようだ。」とこの差を分析している。これに対し学歴の低い契約社員は出産年齢が低い傾向がある。しかし、これにより貧困に陥る可能性が高まるとCBS。「低学歴の女性は安定やキャリアをそれほど重要視しない傾向がある。離婚率も高い。」という。シングルマザーになり生活保護を受ける女性の率も高い。

低学歴の契約社員における傾向は女性だけでなく男性にも当てはまる。このグループの男性は生涯をともにするパートナーを見つけるのが(高学歴男性に比べ)容易くない。これは女性が収入の安定した正社員男性を求めるからなのでは、とCBSは分析している。

労組CNVは、雇用形態が家族形成に影響を与えることに懸念を示している。次期政府ではこの問題について取り上げることを要望。契約社員は雇用が不安定であるだけでなく、家族そして社会的にも不安定であるため、雇用形態の改善を求めている。

CBS統計