オランダに住む外国人の国籍は200以上に

難民問題は政府を危機に陥れるほどの影響力をもったが、移民や外国人はオランダ社会・文化にポジティブな影響を及ぼしているのも確かである。
1700万人近いオランダの住人のうちオランダ以外の国で生まれた人は180万人いてその国籍は200カ国以上にのぼる。外国人は大きな都市に集まって住む傾向がある。あまり馴染みのない国カーボベルデという国からの居住者11000人のうち4分の3はロッテルダムに住んでいる。あそして日本人とインド人が多いアムステルフェーン市も「リトルアジア」と呼ばれている。

移民の大半を占めるのはトルコ人、モロッコ人、スリナム人そしてポーランド人だが、太平洋に浮かぶテュバルといった最も小さな島々からもオランダにやってきて居住している。
外国人の増加はオランダの食文化に大きな影響を与えている。スリナムのロティ、ブルガリアのピラフ、モロッコのクスクスなどはオランダの食卓に頻繁に登場しどこのスーパーマーケットでも入手できる食材となった。一昔前にはインドネシア料理やピザが入り込み、すでにオランダで一般食としての地位を確立していた。さらに子供の名前にも影響を与え、今ではオランダ人の名前としてつけられている「マルコ」もイタリア移民の影響である。1955年にはオランダ全土で「マルコ」は35人しかいなかったが、15年後には2000人に増えた。
イスラム教寺院のモスクも然り。1955年にオランダ最初のモスクがハーグに建てられたが現在ではこの数は数百へと増加した。