アムステルダムはシェア交通手段で抜き出る

アムステルダム市は、シェア交通手段ではオランダでトップの市である。シェアカーは2400台も登録されているし、シェアスクーターも1200台ある。これまで車を市内から減らすため、シェアカーやシェアスクーターの増強や公共交通機関の利用を促進してきた。さらに将来的には、排ガスを減らすために、シェアカーはすべて電気自動車(2025年までに)、シェア自転車やシェアカーゴバイク(Bakfiets)を増やす計画だ。

シェアカーを運営するMyWheels社では使用距離が2021から2022年で倍増。競合のGreenWheels社では50%増を記録している。ただし利益をあげているかというとそうではなく、市が発行している駐車許可証代に莫大なコストがかかるという。市内に駐車している車の90%は動かしていないという状態で、駐車スペースはパンク状態だ。

シェアカーを利用する人には大きな荷物を運ぶためという人も多い。これに代わるものとしてシェア・カーゴ自転車(Bakfiets)が登場した。シェアカーゴ自転車を提供するCargoroo社は、通常のカーゴ自転車だけでなくカーゴ付き電気自転車も貸し出している。利用料は1時間3ユーロからと安い。ただオーナーはこの事業に1000万ユーロを投資したというが、まだ回収できていない。電動のシェアカーゴ自転車は車の代用品として、これから最も伸びるはずだとコメントしている。

アムステルダム市内のシェア交通手段一覧と将来の計画

■シェアカー: 現在2500台だが、市はこれを3000台までに増やしたい意向。2025年までにすべて電気自動車に。

■シェアスクーター:現在Check社とFelyx社が合計770台を提供しているが、これを1200台までに増やす。

■シェアカーゴ自転車:現在110台だが、2024年夏までに750台に増やす。

■シェア自転車:アムステルダムの住人に関してはほぼ全員が自分の自転車を持っているので、これが増えることはあまり考えられない。ただ旅行者や鉄道利用者には魅力的だ。オランダ鉄道はOV自転車を駅で提供している。

■シェアステップ:フランスやベルギーで多く見られるシェアステップだが、アムステルダムは2021年から公道でのシェア電気ステップを禁止している。