スーパーAHの割引システム、遅くなるほど安く

オランダ大手スーパーマーケットチェーンのアルバートハイン(AH)は、昨年末から大規模な割引戦略を行っている。肉、生パスタ、サラダなどは時間が経過するほど安くなる仕組みで、閉店間際には70%割引になる。このシステムが消費者をひきつけていると、第4四半期の結果の発表時に同社がコメントしている。

この「閉店に近づけば近づくほどほど安くなる」というシステムはAHが初めてではない。航空運賃、ホテル、野外マーケットなどでは長い間実施されていたもの。例えばマーケットで、土曜日の夕方になると大幅な値引きをするというのは当たり前である。AHは、この「当たり前」のことを新しいシステムの導入で取り入れることになった。割引になる製品にはブルーのステッカーが貼られている。AHが独自に開発したアルゴリズムで、どの製品がいつどれだけの割引を提供するかが決まるという。

これまでAHでは賞味期限に近づいた製品に35%割引を提供していたが、新しいシステムが適用される製品にはこれが消え去りブルーのスティッカーとなる。ブルーステッカーが付かないものには従来の35%割引も残る。

全く売れないよりも割引して売れたほうがいい、というのがAHの基本姿勢。さらに売れなかった製品を廃棄することが減り、フードロス解消にも貢献している。そして消費者にとってもこのインフレ時にはありがたいシステムだ。