住宅不足のアムステルダムで新築住宅建設ラッシュ

今年アムステルダムでは市によって8639戸の住宅建設が開始され、過去最大の記録を更新した。新しく建設される住宅のほとんどがアムステルダム北部(Noord)地区。2017年の新築住宅建設数は7264戸、2016年は5700戸だった。アムステルダム市の住宅担当イフェンス議員は「この数値には満足しているが、住宅不足の解決にはまだまだ遠い。」と述べ、2025年までには合計52,500戸を建設すると意欲を示した。オランダでは新規に住宅を建設するのは一部の例外はあるものの基本的に市町村が不動産開発会社を通し行っている。

8639戸のうち過半数である4371戸は、高額な賃貸あるいは購入用となっている。低所得者が多いアムステルダム市でなぜこのような高価格帯の住宅が建設されているのか? これは緑の党が市の政権を握る前に不動産開発会社が市からとりつけた建設物件だったという背景がある。

新規建設中の住宅の36%、合計3116戸はソーシャルハウス(低所得者用住宅)である。高額な住宅と低所得用住宅の間にはさまれる中間価格の住宅の建設は遅れており、全体の13%に過ぎない。イフェンス氏は今後は低中所得者用住宅の建設を増やすと述べている。

新規住宅の多くがアムステルダム北部、とくにアイウーフェルス(Ijoevers)、NDSM造船所跡地、オーフェルフークス、バウクスローターハム地区で建設されている。次に多いのは南東部(Zuidoost)で1493戸。ここでは学生用住宅が多い。ニューウエスト地域では高価格帯の賃貸住宅が、西部と東部では購買住宅が建設されている。中央部では347戸が建設されているが、このほとんどが高額賃貸用である。