オランダと日本、中国への半導体製造装置輸出制限に遅れ

米国は半導体と半導体製造装置(chip machine) の中国への輸出を厳格に制限しており、オランダと日本へもこれに従うよう促してきた。2国の輸出制限は遅れをとっているとブルームバーグ紙が伝えている。米国とオランダと日本は半導体製造装置を販売する3大国家である。米国による製造装置輸出禁止例は、中国が自国で半導体の製造を増加させるという野望を抑えるのが目的だ。

米国はとくに中国が兵器製造用の最先端半導体を製造することを阻止したいという意向がある。世界最大の半導体製造装置メーカーであるオランダのASML社は、最先端の装置の中国へ輸出は中止しているが、米国は通常の装置の輸出も停止するよう求めている。

これに対しオランダ貿易大臣のスフレイヌマハー氏は先週、中国への輸出制限は各国が独自に決めるもので、米国に従うだけではないとコメントしている。

オランダのASML社は最新EUV装置を唯一製造できるメーカーだ。キヤノンやニコンそして東京エレクトロン社も競合だが、規模的にはASMLは最大である。ASMLのトップであるヴェニンク氏は、同社の装置の中国への輸出が禁止されても装置への需要は減らないと予測している。これは米国と欧州がこれまで中国からの輸入に頼っていた半導体を自国で製造する方向に転換するため、巨額の投資をしてきているという背景がある。自国製造で中国への依存をへらすのが目的。

中国は米国の輸出禁止措置に対し、世界貿易機構(WTO)に提訴している。米国が曖昧な安全保障上の議論を使用して、ライバルに不当に敵対していると主張している。中国によると、これは経済保護主義に該当し、国際的なサプライ チェーンは米国の制裁によって脅かされているという。しかし、たとえ中国が勝訴したとしても、WTO がアメリカの政策を覆すためにできることは何もないのだが。