秋のコロナ波はどのくらい深刻なのか

オランダ国立衛生研究所RIVMによると、今秋のコロナの波が本格的に始まったという。感染者と入院患者数は急速に増加している。しかし以前のロックダウンや各種の行動制限が再度実施されるかというと、状況はかなり違っている。

1. ロックダウンの導入は現実的か?

政府は国家主導のロクダウンは行わないと決定している。以前のロックダウンは病院や老人施設での感染を防いだが、社会的被害は甚大だった。若者の間でうつ病が大幅に増加しており、その多くが依然として自殺願望を持つという。結論からいうとオミクロンの亜種によるロックダウンはありそうもない。ワクチン接種率が高く、ほとんどのオランダ人がコロナ感染を経験しているというため、ウィルスに対する耐性ができている。

2. 現在施行されている行動規則は?

現在、法律で義務付けられている行動規則はない。たとえば、公共交通機関でのフェイスマスクの着用義務などの最新の措置は、昨年の春に失効している。
ただし、頻繁に手を洗うこと、肘で咳やくしゃみをすること、自主的にコロナテストすること、十分な換気を確保すること、および繰り返しワクチン接種を受けることなどは政府が推奨している。

3. 措置を講じる場合、政府の決定方法は?

RIVM のコロナ対応チームは、疫学的状況を評価するために 2 週間ごとにミーティングを開催し結果を政府と共有する。非常に感染度が高く重篤化するような新しい変種が出た場合など、政府に対し可能な制限措置について助言する。
しかし政府による対策は出さないことが基本であるため、個人あるいは企業が独自に対策を講じることになる。

4. コロナが再度蔓延した場合、医療制度の崩壊の危険は?

今月から、これまでのアウトブレイク・マネージメント・チーム(OMT)​​ と同様な新しい諮問機関が設立されている。ソーシャル インパクト チーム (MIT) です。このチームは、人々の自由を制限する措置が検討される際に、社会的および経済的利益に注意を向けるという。これまでのようにすぐにロックダウンという選択よりも、社会的、経済的な面を重要視する。
つまりICU患者が増えて病院が危機に陥っても、緊急ロックダウンと、長期的に生活の質を守ることとの間の道徳的なジレンマについて、公開討論を組織するよう、このMITは助言している。