住宅不足で大学が留学生に「ストップ」
オランダの住宅不足は留学生にも大きな影響を与えている。9月から始まる新学期に向け、複数の大学が「部屋が見つかるまでオランダに来ないよう」呼びかけている。この呼びかけを始めたのはアムステルダムにあるVU(自由大学VrijUniversiteit)とUvA(アムステルダム大学Universiteit van Amsterdam)。どの大学都市も学生の部屋不足だが、アムステルダム市は特に深刻だ。ここ2年間は、バケーションパークがコロナ禍で空いていたためそこに住むことができた。ところが、コロナ禍は過ぎ去りバケーションパークというオプションはなくなった。
アイントホーフェン、ユトレヒトそしてマーストリヒトの各大学も先週から同じような呼びかけを始めている。ユトレヒト大学は、部屋が見つからずにオランダにやってきてテント生活を送ることを懸念して、この措置をとるという。オランダ人学生にとっても住宅不足は深刻なときに、留学生の部屋探しは困難を極める。コロナ危機以前にもティルブルフやフローニンゲンそしてアムステルダムの大学に留学した学生でテント生活を余儀なくされた人もいる。
オランダの大学はどこも学生の増加が著しい。留学生も例外ではない。2021−2022年には115,000人の留学生がオランダにやってきた。これは前年度より11,000人多い。アムステルダムの大学2校では4分1の学生が留学生だ。マーストリヒト大学に至っては留学生が56%を占める。
学生向けの住居不足はすぐに解消されないだろう。昨年だけで不足は20%も増加している。学生寮が建設されているがこれも間に合わない。住宅不足は留学生の増加もその原因の一端を担っている。オランダでは大学の国際化を進めてきたがここで足止めを食らいそうだ。